先日のある平日の出来事。仕事を終えた私はKALDI(カルディ)に行きたくて、ショッピングモール内にあるお店へと車を走らせた。ちなみに私にとってカルディ、無印良品、ロフトは、その空間にいるだけで別の素敵な自分に変身した気分になれる、現実逃避三大パラレルワールドなのである。15分ほど車を走らせカルディに到着し、お店に入った時私は
「はて?何を買いに来たんだっけ?」
と立ち止まって考え巡らせてしまった。カルディへ行く!という強い信念だけで来たのはいいが、いざ到着してみると何をしに来たのかすっかり忘れてしまったのだ。でも商品棚を見て歩くうちに、そのうち思い出すだろうと気を取り直して見て回った。相変わらず見慣れない海外のパッケージや、親しみのない謎の食材に取り囲まれ、想像力をかきたてられる素敵な空間である。チーズや香辛料やスナック菓子など一通り見て歩いたみたが、やはり何でここに来たのかがさっぱり思い出せない。確実に分かっている事実は「カルディに来たかった」という一点のみである。何かを探しにきたのか、それとも何かがあるのかを確認したかったのか、結局最後まで思い出せなかった私は、車ではあったが気持ちはとぼとぼと帰宅の途についたのである。40代までは「あれ?何しに来たんだっけ?」と思っても時間の経過や、もといた場所に戻ると思い出したりしたが、50代を過ぎると最後まで思い出さずじまいなのか…私は軽いショックを受けていた。
他にも自分の脳を疑いたくなるような物忘れはいくつもある。普段私は洋服などの衣類は2階にしまってあり、着替えを取りに行こうとすると必ず何かが抜ける。靴下とパンツとシャツを取りに行ったのにパンツしか持って来ないという事はざらであるし、着替えを取りに行ったのに、部屋の隅で死んでいる干からびたカメムシを拾っただけで満足して、着替えを持たずに戻ってきた事もある。献立は昨日の昼食まではさかのぼれるが、昨日の朝食となると思い出すのにかなり時間を要する。いったい私の脳のキャパシティーはどうなっているのだろうか…不安になった私は最近自分なりの脳トレを行っている。それは「ハリウッドスター名前当てクイズ」である。自分の知っている範囲内でハリウッドスターの顔を思い浮かべ、名前を当てていくという地味で寂しい一人クイズである。これが意外と脳を使うのだ。キャメロン・ディアスとジュリア・ロバーツがごっちゃになったり、映画「スピード」に出てくる主人公の女の人の名前がかなりの確率で忘れてしまう。だがそこで携帯を決して見てはいけない。思い出そうとする行為が大事なのだ。結局名前が出て来ないでモヤモヤする事もあるが、クイズの事などとっくに忘れた就寝前とかに「あっ!サンドラブロックだ!!」と突然降ってきて満足して眠りにつく私なのであった。


コメント