2回目の更年期疑い

45歳の時、これが更年期かという出来事があった。気温と関係なく噴き出す汗である。それは仕事中であろうと散髪中であろうとデート中であろうと、突然容赦なくやって来る。顔が猛烈に暑くなり、首から上が蒸気機関車になったようだ。鼻から蒸気が噴き出し、両手を車輪代わりにシュッポシュッポと出発してしまいそうである。眼鏡は汗でずり下がり、鼻の頭には大量の玉の汗。普段、仕事で注目される事などないのに、この時ばかりは「すごい量の汗だね」と注目を浴びてしまう。もっと違う事で注目してくれよ!とも思うが、この大量の汗や寝ぐせや靴下の穴など、仕事以外で注目される悲しい日々だ。

この尋常じゃない汗が何週間か続いたため「もしやこれが更年期かもしれない…」焦った私はドラックストアで「命の母ホワイト」という医薬品を購入した。薬局の人曰く「命の母ホワイト」は「命の母」よりも少し軽めで、生理周期のみ症状が出る人におすすめのようだ。まだデビューしたての更年期の卵の私には丁度いいだろう。半年ほど飲み続け、気付くと症状が治まっていたので薬はやめてしまった。治ったのが薬のおかげか定かじゃなく、自信を持って人に勧められないが、飲まないよりは気休めになっていいのかもしれない。


あれから7年。また更年期を疑うような症状が出てきた。熱いの私だけ?というシチュエーションが増えてきたのだ。職場で、寒い寒いとみんなが身を縮める中、私だけ場違いな半袖姿。マスクの中はまさしくサウナ。みるみる温度が上昇し顔は火照り、沸騰寸前である。熱い……周囲は平和なのに、自分だけ窮地にさらされている。このような状況は他にもあり、飲食で激しくむせた時がそれだ。周りが和やかに談笑する中、顔を真っ赤にし激しく咳き込む自分。最初は周りも、大丈夫?などと多少心配もしてくるが、やがてまた何事もなかったように談笑が再開しまう。あの時の透明人間になってしまったような疎外感…確実に夢に出るレベルである。今回、本格的に更年期デビューとなれば、命の母を購入するべきか迷うところだ。


でもこの程度で済んでいるのだから、まだマシなのかもしれない。不眠やうつ状態や体の痛みなど、重い症状を抱えている人もいて、出口の見えない不安に苛まれている。生理も前回来たのは2か月前だ。来ない周期が少しずつ長くなって来ている。あんなに邪魔くさいと思っていた生理も、音沙汰がなくなると少し寂しいような気もする。だが物価高の今、生理用品を買う必要がなくなったのはありがたいことなのか…そう考えていると、またじんわり汗をかいてきた。一日に上着を何度も、着たり脱いだり繰り返す忙しい私なのだった。

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