今までスキンケアに湯水のようにお金を使って来た。お金が有り余っていたからではもちろんなく、給料の全てをつぎ込んできたのだ。その結果40代後半で貯金なしという「自業自得」を身を持って体験したのである。崖っぷちに追い込まれてようやくスキンケアから足を洗った私だが、興味がなくなったわけではない。本当は今でも美容に興味津々だし、喉から手が出るほどランコムやエスティーローダーの美容液が欲しい。MEGUMIの美容本に何度手をのばしかけたか分からない。美容本には、MEGUMIいちおしの化粧品がたくさん掲載されているだろう。それを見たら最後、自分を止められなくなる。赤い布を見せられた闘牛のように、デパートの化粧品売り場に突進してしまう。そんな自分を分かっているので美容本ではなく、行く当てもない旅行の本を立ち読みして気を紛らわせて帰るのだ。あぁ、宝くじで1億円当たらないだろうか…そして美容に思う存分お金をかけたい!と何度も思った。当然こんな強欲女にツキが回ってくるわけもなく、下ひとケタの300円しか当たらないまま今に至る。
年齢を重ねても、毛穴もシワもなくつるつる卵肌の美容家の方たち。自分もあんなふうになりたい!とスキンケアをマネしてきた。しかし美容本を読むと、世の何人かの美容家たちは、スキンケアにプラスして美容医療も行っている。洗顔、メイク落とし、導入美容液、化粧水、ビタミンⅭ、セラミドやペプチド美容液、レチノールクリーム、アイクリーム、ナイトクリーム、日焼け止め。これだけでも容量オーバーなのにそのうえ美容医療まで…クラクラする。だがそこで私はひとつの事実に気が付いた。
「結局美容医療に頼ってんじゃん!!」
スキンケアだけじゃダメなのだ。それプラス美容医療で、初めてあのような美しさを保つ事が出来るのだ。もう私のような低所得者が立ち入れる領域ではない。あの美しい人たちのマネをして、高級ドレスで着飾るのはやめよう。どうせ舞踏会に行く予定などないのだ。私は自分に見合ったチュニックを着て、掘っ立て小屋で慎ましい毎日を送るのだ。そう決心し、美容に関する情報を出来る限りシャットダウンした。そのうち新商品の化粧品を知るよしもないので、欲しくもなくなった。今までかけてきたお金は何だったんだろうと、首をかしげるほどに今の私は普通に52歳の顔である。美容医療をしなければ、結局出口は同じなのかと気が抜けてしまった。
攻めの美活は出来なくても最低限必要な事は出来る。それは洗顔、日焼け止め、保湿である。
朝起きるとカーテンを開ける前にまず洗顔をする。夜間、毛穴から出る脂分や寝てる間に付着したほこりを洗い流すために、朝でもクレンジングミルクで洗顔する。ドラックストアで買える1000円以下のものである。化粧水とクリームでしっかりと保湿をしたら、余計な脂をティッシュオフし日焼け止めを塗る。日焼け止めは紫外線吸収材を使わないノンケミカルのものを選んでいる。日焼け止めは顔からデコルテ、耳の上にも忘れずに塗る。そこまで終わるとようやくカーテンを開ける。
夜はリキッドファンデーションの時は、クレンジングオイルと洗顔フォームでしっかり洗う。スキンケアの後は、10分ほどYouTubeを見ながら、顔のたるみに聞くセルフケアを行う。私のお気に入りは「かず先生の若返りセルフケア塾」「美容整体アビアランスTV」「アラ還 おきゃんママの若見えチャンネル」だ。摩擦の少ないマッサージや顔ダンスは、お金をかけない最高の美活である。こういう配信が見ながら美活できるなんて令和さまさまである。便利な世の中に感謝しながら、今日も顔ダンスで百面相にいそしむ私なのであった。



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